









本体価格:¥8,800-
<色絵 山水 楼閣 帆掛舟文 蕎麦猪口>
時 代: 江戸後期 寛政~文政年間 1790~1820年代
状 態: 内側壁面に細かなソバカスが一つ、二つ、それと見込みにピンホールが一つ見受けられます。高台に米粒ほどの釉ヌケ部分が3箇所とソバカスが一つあります。(下段一番右の画像)ホツやニュウなどはなく、座りも安定した綺麗な蕎麦猪口です。
サイズ: 口径 8.6cm 底径 6.8cm 高さ6.8cm
江戸後期に肥前、有田で焼かれた色絵 山水の蕎麦猪口です。絵柄の中には、二つの世界が表現されていると観ることができます。高所にあると思われる堂塔は仏教寺院のようです。空に向かって聳える(そびえる)塔からは、相輪(そうりん:棒状の金属装飾)が垂直に伸びて、キリッとした精神性が窺われます。一方、遠山(島?)を背景に、波間に浮かぶ何艘(なんそう)かの帆かけ舟は穏やかな水平上で漁をしているのか、そこからは、ゆったりとした日々の営みが伝わってきます。垂直と水平、聖と俗、二つの異なる世界。
この二つの異なる世界は見込み部分にも反映されているようです。見込みの主文様は『岩波』なのですが、岩の背後になぜか東屋(あずまや)が描かれています。古伊万里の山水、風景を描いた蕎麦猪口には、絵柄要素の一つとしてよく東屋が登場します。しかし見込みの中に岩波と一緒に東屋が描かれているのは、この蕎麦猪口ぐらいではないでしょうか。
※古伊万里などの商品は手作りによる骨董品のため、カタチのゆがみ、色のむら、ホツ、ソゲ、ニュウなどある場合がございます。