









SOLD OUT
本体価格:¥15,000-
<色絵 草花文 蕎麦猪口>
時 代:江戸中期・宝暦~天明年間、1750~1770年代
状 態:口径が 8.7cm ある蕎麦猪口ですから、標準的なものよりやや大きいかなと感じます。これと言ったマイナス材料は見当たらないのですが、強いて言えば、緑の顔料が三箇所、米粒大で剥がれていることくらいです。(画像1・2)勿論、ホツやニューなどはなく、座りも安定した良好な蕎麦猪口です。
サイズ:口径 8.7cm 底径 6.9cm 高さ 5.7cm
江戸中期に焼かれた色絵の蕎麦猪口です。胴体側面に格狭間(こうざま)と呼ばれる窓を作り、その中に草、樹木などを描き込んでいます。このような色絵蕎麦猪口は江戸中期に盛んに焼かれています。それらの中でも、この蕎麦猪口の興味深い点は、袴(はかま)部分が櫛目(くしめ)の蓮弁パターンではなく、鋸歯状(きょしじょう:ノコギリの歯)の蓮弁文となっていることです。肥前で焼かれた多くの蕎麦猪口には櫛目の蓮弁文が巡らされていますが、鋸歯状の蓮弁文は、生産数が低かったのか、櫛目文ほどには見かけることがありません。
そして、もう一つの興味深い点は、この時期の色絵格狭間 蕎麦猪口の多くは、新たに台頭してきた環状松竹梅文を見込み文として取り入れているのに対して(当ギャラリーショップ、133 染付 蛸唐草文 蕎麦猪口を参照して下さい)、この蕎麦猪口は、五弁花文なのです。五弁花文は、もともと有田の柿右衛門窯から17世紀の末以降始まったとされており、やがて、それが他の窯元でも使われるようになり、一般的な見込み模様として長らく存在感を示していたのですが、様々な見込み文様が登場するにつれて19世紀の初め頃には姿を消してゆくことになります。この蕎麦猪口は可能性として、肥前・有田の柿右衛門窯で焼かれたのものかもしれませんね。
※ 古伊万里などの商品は、手作りによる骨董品のため、カタチのゆがみ、色のむら、ホツ、ソゲ、ニュウなどある場合がございます。