









SOLD OUT
本体価格:¥7,800-
<染付 宝珠雲龍文 長角皿>
時 代:江戸後期、寛政~文政年間 (1790 -1820)
状 態:当時流行っていた線描きによる飛龍は二匹とも凄みのある、いい目付きをしています。一方、火焔宝珠(かえんほうじゅ)や見込みのギザギザ線は、ラフに描かれており、それはそれで素朴な感じがする絵柄です。上面画像(上段一番左)、右上角の少し左の口縁に小さな穴が一つ見られますが、これは窯キズではなく、恐らく釉薬に入っていた何がしかの不純物が焼成中に爆(は)ぜたものと思われます。同じく上面画像、右下角の少し上の口縁に小さな窯ヘコミがあります。見込み面にピンホールが一つ、それにソバカスが三つ四つ見受けられます。外側、側面周りにピンホールが四つ五つ、高台に経年のスレが見られますが、座りは安定しており、全体的には良好な染付角皿です。
サイズ:長径20.6cm 短径11.6cm 高さ4.0cm 高台15.5cm x 7.3cm
『中国の龍は爪が5本、朝鮮の龍は4本、日本の龍は3本』という話を聞いたことがありませんか。龍は中国では皇帝のシンボルだったので、それに敬意を払って龍を描く絵師は爪の数を中国より少なくしていたという話です。果たして、そうなのでしょうか・・・。
大胆で格調高い作品群を残した狩野派の絵師達を数人上げてみましょう。京都・建仁寺の天井画、龍図は狩野永徳(かのうえいとく・安土桃山時代)によるもので、宝珠を握った爪が5本です。京都・妙心寺の天井画、龍図は狩野探幽(かのうたんゆう・江戸初期)作で、爪が3本。フェノロサと親交があった狩野芳崖(かのうほうがい・幕末~明治期)の「飛竜戯児」という作品はアメリカ、ペンシルベニア州フィラデルフィア美術館所蔵で、龍の爪は3本です。(伊万里丸は、何年も前にこの作品をフィラデルフィア美術館で観た記憶が薄っすらとありますが、その時は爪の本数などは全く頭にありませんでした。)
40年ほど前になくなった堂本印象による京都の東福寺・法堂(はっとう)の天井画、龍図は三本の爪で宝珠を握っています。一方、平成九年に加山又造によって描かれた京都、天龍寺・法堂の龍図は爪が5本です。以上のように狩野派や禅寺での龍の爪の数は決まったものではないようです。
このギャラリーショップには龍をモチーフにした器が何点かエントリーしています。『p-109 青龍文豆皿』は爪が何本か不明ですが、この角皿の龍を含めて、どれも爪は3本です。しかし伊万里丸は、かつて骨董市で古伊万里と思われる4本爪の龍の角皿を見た覚えがあります。古伊万里では、大方の龍の爪は3本のようですが、その記憶が正しければ4本爪もあり、もしかすると5本爪の龍もいるかもしれません。古伊万里の龍の図を見る機会があれば、爪の数をチェックしてみるのも面白いでしょう。
※ 古伊万里などの商品は手作りによる骨董品のため、カタチのゆがみ、色のむら、ホツ、ソゲ、ニュウなどある場合がございます。