







本体価格:¥ 8,200-
<古伊万里 染付 瑞雲文 蕎麦猪口>
時 代:江戸中~後期 天明~文政年間、1780 -1810年代
状 態:口径が7.5cmで、8mmに届いていませんから、心持ち小ぶりの蕎麦猪口です。見込みの『虫文(むしもん)』が中心から少しずれており、その近くの壁面にうすく呉須顔料が付着しています。側面画像からは見えませんが、経年スレと共に極小のホツが高台に一つあります。(下段画像の一番右、時計で言うと7時半辺りです)座りは安定しています。
サイズ:口径7.5cm 底径 5.2cm 高さ5.9cm
広辞苑によると、『瑞雲(ずいうん)』とは、おめでたいしるしの雲のことだそうです。何か縁起の良いことが起こる前にその兆し(きざし)として表れる雲と言うことでしょうか。
新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、インターネットといったマスメディアがまだ出現、発達していない江戸の時代には、識字率が高かったとは言え、書籍・文書情報に接することが出来たのは、武士、学者、僧侶、商人など、ごく限られた身分の人達でした。それ以外の人達にとって情報を得る手だては、もっぱら人の話を聞くことだったでしょう。
その意味で、縁起が良さそうと感じたりすることや、雲を観て何かを読み取ろうとすることにさほどの不自然さを感じません。雲が人々に何がしかの事象、とりわけ『あったこと』を伝えるものとして考えられていたのではないでしょうか。
瑞雲文自体は、それだけで蕎麦猪口のデザインとして完結しているように思われますが、『壽』(ことぶき)を丸文として加えることで、縁起の良さを説明、強調しているのでしょう。縁起の良いこと、吉祥(きっしょう)は、古伊万里が表現するテーマであり、古伊万里の世界では高い位置に据えられた価値観です。
※古伊万里などの商品は手作りによる骨董品のため、カタチのゆがみ、色のむら、ホツ、ソゲ、ニュウなどある場合がございます。