








本体価格:¥8,800-
<染付 矢羽文 蕎麦猪口>
時 代: 江戸期 天明~文政年間、1780~1820年代
状 態: 側面のところどころにピンホールが見られます。三つある白い空間の一つに呉須顔料が3つほど点となって付着しています。(上段真ん中の画像)内側壁面は綺麗ですが、見込みに小さなソバカスが三つ、四つ。そのうちの一つは粘土中に混ざっていた鉄分なのでしょう、焼けて茶色くなっています。ホツやニュウなどはなく、座りも安定しています。
サイズ: 口径 8.3cm 底径 6.6cm 高さ7.1cm
矢羽根文は、昔から家紋や着物などに使われていますから、日本人の間では、文様としての認知度は相当高いと言えるでしょう。古伊万里では、矢羽根文様は享保期頃(1716-1736)から蕎麦猪口の染付けに取り入れられたのではないかと思われれます。そして文化・文政期(1804-1830)頃には、その意匠文様にいくつかのバリエーションが加わり、盛行を迎えています。
矢羽根文の蕎麦猪口を大別すると、側面全体が矢羽根文様で、びっしりと矢羽根列を描いたもの、矢羽根列の数はさほど多くないものなどと分けることができます。しかしながら、こちらの矢羽根文蕎麦猪口は、上記の範疇からは外れています。胴体側面に3列の矢羽根文様、そして同程度の白い空間を作り、それを交互に3回繰り返しています。言い換えれば、側面空間を6分割していることになり、平面構成的に面白い意匠と言えます。
矢羽根文の蕎麦猪口は、肥前のみならず美濃・瀬戸などの窯でも焼かれています。それだけ、矢羽根文様は当時ポピュラーだったと考えられます。そういう中にあって、こちらの蕎麦猪口のように白い空間があるもの、またびっしりと矢羽根の列を描いたオーソドックスな蕎麦猪口は、古伊万里だけではなかったかと伊万里丸は考えております。
※古伊万里などの商品は手作りによる骨董品のため、カタチのゆがみ、色のむら、ホツ、ソゲ、ニュウなどある場合がございます。